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2026-11-06

共有名義の不動産を売るには|全員の同意・持分だけの売却・まとまらないときの選択肢

共有名義の不動産を売るには|全員の同意・持分だけの売却・まとまらないときの選択肢

実家を兄弟で相続した。夫婦で一緒に買った家を、売りたい。こうしたとき、不動産の名義が複数人になっている「共有名義」は、売却の進め方が少し変わります。

この記事では、共有名義の不動産を売るときの基本と、話し合いがまとまらないときの選択肢を、順番にまとめます。

共有名義とは

ひとつの不動産を、複数の人が、それぞれ「持分」を持って所有している状態です。

持分は、「2分の1ずつ」「3分の1ずつ」のように、割合で決まります。登記簿には、共有者の名前と持分が記録されています。

共有になる主なきっかけは、次のとおりです。

  • 兄弟姉妹など、複数の相続人で相続した
  • 夫婦や親子で、お金を出し合って購入した

相続でそうなった場合の、名義の変更手続きは、「相続登記の進め方」にまとめています。

共有の不動産を売るには、全員の同意が必要です

土地や建物全体を売るということは、その不動産の所有権を、まるごと買主様に移すことです。民法251条では、共有者は、ほかの共有者の同意がなければ、共有物に変更を加えられないと定められています(形状や使い方を大きく変えないものを除きます)。

そのため、共有の不動産を売るときは、共有者全員の同意を得て、全員が売主になるのが基本です。

  • 共有者の1人でも反対すると、全体を売ることはできません。
  • 売買契約や、名義を買主様に移す手続きには、共有者全員が関わります。
  • 売れた代金は、持分の割合に応じて分けるのが一般的です。

自分の持分だけを売ることはできる?

自分の持分だけなら、ほかの共有者の同意がなくても、売ることができます。

ただし、持分だけを買いたい人は、多くありません。買主様は、ほかの共有者と、これから共有することになるためです。一般に、買い手が限られ、売れる価格も下がりやすい傾向があります。

話し合いが難しいときの手段のひとつですが、売ったあとの共有者の関係も考えて、慎重に決めたいところです。

話し合いがまとまらないときの選択肢

「売りたい人」と「売りたくない人」に分かれることも、よくあります。主な選択肢は、次の3つです。

方法内容向いている場面
共有者のだれかが買い取る売りたい人の持分を、住み続けたい人などが買い取る住んでいる人がいる、買い取るお金の用意がある
共有を解消する(分割)話し合いで分ける。まとまらなければ、裁判所に分割を求める共有のままにしておきたくない
自分の持分だけを売る前の章のとおりどうしても話し合いが進まない

### 共有物の分割について

民法256条では、各共有者は、いつでも共有物の分割を請求できると定められています。ただし、5年を超えない期間であれば、分割しないという契約をすることも認められています。

話し合いで決められないときは、裁判所に分割を求めることができます(民法258条)。裁判所は、次のような方法で分割を命じます。

  • 土地を分けるなど、現物を分ける方法
  • 1人が不動産を取得して、ほかの共有者にお金を払う方法
  • それらの方法で分けられないとき、または分けると価値が大きく下がるおそれがあるときは、競売を命じることもあります

競売になると、一般に、通常の売却より安くなる傾向があります。そうなる前に、話し合いで解決を目指す方が、全員にとって良い結果になりやすいです。

共有者の所在が分からないとき

「共有者の1人が、どこにいるか分からない」。相続した不動産では、こうしたケースもあります。

2023年(令和5年)4月1日に施行された民法の改正で、裁判所が関わる手続きが整えられました。

  • 持分を取得する(民法262条の2):所在が分からない共有者の持分を、ほかの共有者が取得する裁判を求められます。
  • 持分を譲渡する権限をもらう(民法262条の3):ほかの共有者全員が自分の持分を売ることを前提に、所在が分からない共有者の持分も合わせて売れる権限を、裁判所から付与してもらう方法です。

どちらの手続きでも、所在が分からない共有者は、後から、持分の時価に相当するお金の支払いを求めることができます。

注意したい点: 相続した不動産で、遺産分割をすべき場合は、相続が始まってから10年が過ぎていないと、これらの裁判は使えません。

裁判所の手続きは、専門的な内容です。弁護士など専門家への相談をおすすめします。

売る前に、確認しておきたいこと

1. 登記簿で、共有者と持分を確認する

法務局の登記事項証明書で、共有者全員の名前と持分が分かります。思っていた共有者と違うこともあるので、最初に確認します。

2. 相続での共有なら、相続登記を済ませる

名義が亡くなった方のままだと、売買の手続きが進みません。まず、相続登記が必要です。

3. 共有者の希望をそろえる

「売るか、売らないか」「いつまでに」「いくらくらいで」。この3点を、共有者の間で話し合っておくと、その後がスムーズです。兄弟姉妹の相続では、「相続した実家はどう分ける?」も参考になります。

4. 売るときの費用と税金を確認する

売却には、仲介手数料や登記の費用などがかかります。売って利益が出たときの税金は、共有者それぞれに関わります。特例の使い方は、状況によって変わりますので、売却の前に、税務署や税理士に確認してください。費用の全体像は、「不動産売却にかかる費用と税金」にまとめています。

離婚で、共有名義の家を売る場合は、「離婚で家を売る流れ」もご覧ください。

まとめ

  • 共有の不動産全体を売るには、共有者全員の同意が必要です。全員が売主になるのが基本です。
  • 自分の持分だけなら、単独で売れます。ただし、買い手が限られ、価格が下がりやすい傾向があります。
  • 話し合いがまとまらないときは、買い取り・分割・持分の売却があります。分割は、いつでも請求できますが、競売になると安くなる傾向があります。
  • 共有者の所在が分からないときは、令和5年4月施行の改正で、裁判所の手続きが整えられました。
  • 売る前に、登記簿で共有者と持分を確認しましょう。

沼津市・三島市エリアで、共有名義の不動産のご相談は

不動産王国株式会社では、沼津市・三島市・清水町・長泉町を中心とした静岡県東部エリアで、共有名義の不動産の売却のご相談をお受けしています。「共有者の考えがそろっていない」という段階でも構いません。ご相談は無料で、秘密厳守です。

登記の手続きは司法書士、裁判所での手続きは弁護士の分野です。ご希望の場合は、当社から専門家をご紹介します。ご依頼は、お客様がお決めください。

まずは、いくらで売れそうかを知りたい方は、当社の「売却無料査定」のページからお申し込みください。売却の2つの方法(仲介と買取)は、当社の「不動産売却・買取」のページにまとめています。

参考にした資料:民法(e-Gov法令検索)、法務省「民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて」(令和5年3月28日)

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