2026-11-03
相続登記の進め方|期限・必要書類・費用と、売却前に済ませたいこと

親が亡くなって不動産を相続したあと、「名義を変えていない」という方は、少なくありません。
相続した不動産の名義変更は「相続登記」といい、2024年(令和6年)4月1日から、申請が義務になりました。この記事では、相続登記の期限、進め方、必要な書類、かかる費用を、順番にまとめます。
相続登記とは
亡くなった方の名義の不動産を、相続した人の名義に変える手続きです。
不動産の名義は、法務局の登記簿に記録されています。相続が起きても、登記簿の名義は自動では変わりません。名義を変えるには、法務局に申請が必要です。
いつまでにする?期限は2つ
法務省の案内では、次のとおりです。
- 相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に、相続登記を申請します。
- 遺産分割が成立したときは、成立した日から3年以内に、その内容に基づく登記を申請します。
正当な理由なく申請しないと、10万円以下の過料の対象になることがあります。
### 以前に相続した不動産も、対象です
義務化が始まる前(令和6年4月1日より前)に相続して、まだ名義を変えていない不動産も、対象です。この場合の期限は、令和9年3月31日までです。
ただし、令和6年4月以降に「相続したことを知った」場合は、その日から3年以内です。
### 過料までの流れ
法務省のQ&Aでは、次の流れが示されています。
1. 登記官が義務違反に気づくと、登記を促す催告の書面が届きます。 2. 催告の期限までに登記されないと、登記官が裁判所に通知します。ただし、相続人の説明で「正当な理由」があると認められれば、通知はされません。 3. 裁判所が判断して、10万円以下の範囲で過料が決まります。
いきなり過料になるわけではありませんが、期限が近い方は、早めに動いておくと安心です。
進め方の5ステップ
1. 不動産を確認する
登記簿の名義が誰か、どんな不動産があるかを確認します。固定資産税の納税通知書や、法務局で取れる登記事項証明書が、手がかりになります。
2. 相続人を確定する
亡くなった方の出生から亡くなるまでの戸籍を集めて、相続人を確かめます。ここは、時間がかかりやすい作業です。
3. 誰が引き継ぐかを決める
遺言があれば、その内容に沿います。遺言がなければ、相続人全員で話し合い(遺産分割協議)、誰がどの不動産を引き継ぐかを決めます。話し合いの方法は、「相続した実家はどう分ける?」にまとめています。
4. 書類をそろえる
次の章で、主な書類を挙げます。
5. 法務局に申請する
不動産の所在地を管轄する法務局に、申請書と書類を出します。申請は、窓口へ持参するか、書留郵便で送るか、オンラインで行います。
主な必要書類
ケースによって変わります。ここでは、一般的な例を挙げます。
- 亡くなった方の、出生から亡くなるまでの戸籍謄本・除籍謄本
- 亡くなった方の、住民票の除票(または戸籍の附票)
- 相続人全員の、現在の戸籍謄本
- 不動産を引き継ぐ人の、住民票
- 固定資産評価証明書(または納税通知書などの課税明細)
- 遺産分割協議で決めた場合は、遺産分割協議書と、相続人全員の印鑑証明書
- 遺言がある場合は、遺言書
必要な書類は、家族の状況や、亡くなった方の名義の状態で変わります。事前に法務局へ確認すると、安心です。
### 戸籍の束をまとめられる「法定相続情報証明制度」
戸籍の束を、何か所にも出すのは大変です。「法定相続情報証明制度」を使うと、相続関係を一覧にした図(法定相続情報一覧図)に、法務局が認証文を付けた写しを、無料で受け取れます。
この写しは、相続登記のほか、預貯金の手続などにも使える場合があります。使えるかどうかは、提出先に確認してください。
かかる費用
### 登録免許税
法務局に納める税金です。不動産の価額の0.4%(1,000分の4)です。土地も建物も、同じ税率です。
不動産の価額は、原則として、市区町村の固定資産課税台帳に登録された価格です。
たとえば(仮の数字です)、固定資産税評価額が土地1,000万円、建物500万円なら、合計1,500万円です。その0.4%で、目安は6万円です。
免税の措置があります。 不動産の価額が100万円以下の土地は、登録免許税がかかりません。令和9年3月31日までに受ける登記が対象です。免税を受けるには、申請書に決められた条文を書く必要があります。
### そのほかの費用
- 戸籍や住民票などの、取得の手数料がかかります。
- 司法書士に頼む場合は、報酬がかかります。金額は、依頼先によって異なります。
すぐに登記が難しいときは
相続人が多い、話し合いがまとまらない、といった事情で、3年以内の登記が難しいことがあります。
その場合は、相続人申告登記という方法があります。自分が相続人であることを、法務局に申し出る手続きです。戸籍の書類を添えて、相続人が単独で行えます。
注意したい点が、2つあります。
- 義務を果たしたとみなされるのは、申し出た相続人だけです。ほかの相続人は、それぞれ申し出る必要があります。
- 相続人申告登記は、不動産の権利関係を公示するものではありません。売却や、抵当権をつけるときは、相続登記が必要です。
あとで遺産分割がまとまったら、成立した日から3年以内に、その内容の登記が必要です。
売るなら、まず相続登記から
相続した家や土地を売るときは、買主様に名義を移す前に、まず売主様の名義を、相続人に変えておく必要があります。相続登記をしないままだと、売買の手続きが進みません。
そのため、売却を考えている場合も、相続登記は先に進めておくのが一般的です。
あわせて、相続した空き家には、条件を満たすと使える税の特例があります。「相続した空き家の3,000万円特別控除」も、ご覧ください。義務化の概要は、「相続した不動産はどうする?相続登記の義務化と売却の流れ」にあります。
まとめ
- 相続登記は、知った日から3年以内。遺産分割が成立したら、成立から3年以内にも登記が必要です。
- 正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になることがあります。
- 義務化前に相続した不動産の期限は、令和9年3月31日までです。
- 費用は、登録免許税が不動産の価額の0.4%。100万円以下の土地は免税(令和9年3月31日まで)です。
- すぐ登記できないときは、相続人申告登記があります。ただし、売却には相続登記が必要です。
沼津市・三島市エリアで、相続した不動産のご相談は
不動産王国株式会社では、沼津市・三島市・清水町・長泉町を中心とした静岡県東部エリアで、相続した不動産の売却や活用のご相談をお受けしています。「名義がまだ変わっていない」「売ることになりそう」という段階でも構いません。ご相談は無料で、秘密厳守です。
登記の手続きは、司法書士の分野です。ご希望の場合は、当社から専門家をご紹介します。ご依頼は、お客様がお決めください。相続の相談事例や、準備の流れは、当社の「相続のご相談」のページにもまとめています。
まずは、いくらで売れそうかを知りたい方は、当社の「売却無料査定」のページからお申し込みください。
参考にした資料:法務省・法務局「相続登記の申請義務化」ほか、国税庁「タックスアンサー」(令和8年4月1日時点)
お電話:0120-370-089(フリーダイヤル)
相続した不動産のご相談
売る・貸す・持ち続ける。状況に合わせて一緒に整理します。相談無料・秘密厳守です。
相談無料・秘密厳守・無理な営業はいたしません
