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共有名義の不動産を売る
共有名義の不動産は、一人の判断では売れないことがあります。同意のルールと、話が進まないときの制度を、公的機関の情報をもとに整理しました。
相談無料・秘密厳守・無理な営業はいたしません
共有名義とは?同意が要る場面と要らない場面
共有名義とは、一つの不動産を複数の人で持つ状態です。各人の持ち分を「持分」といいます。
民法は、共有物への行為を重さで分けています。売却を考えるときは、この区別が出発点になります。
共有物全体の売却は、共有者全員の同意が必要と解されています。法務省の審議会資料にそう記されています。
令和5年4月1日施行の民法改正で、軽微な変更は過半数で決められるようになりました。売却は、その対象ではありません。
個別の事情は、弁護士や司法書士へご相談ください。
- 保存行為(修繕など):各共有者が単独でできます。
- 管理に関する事項:持分の価格の過半数で決めます。
- 軽微な変更(形状や効用を著しく変えないもの):持分の過半数で決められます。
- 軽微でない変更:他の共有者の同意が必要です。
- 共有物全体の売却:共有者全員の同意が必要と解されています。
自分の持分だけを売る場合
自分の持分だけを売ることは、法律上は可能と考えられます。民法は、所有者が自由に処分できると定めています(民法206条)。
法務省の審議会資料も、共有者が自分の持分を譲渡する場面を前提にしています。
同じ資料によると、一般に、全体を売って持分で受け取る代金のほうが高額です。持分だけを売る場合との比較です。
持分を買った人は、他の共有者との共有関係に入ります。各共有者は、いつでも分割を請求できます(民法256条)。
持分だけを売る前に、他の共有者へ相談することをおすすめします。全体売却と持分売却のどちらが合うか、当社でもご相談を受けます。
共有者の所在が分からないときの制度
連絡が取れない共有者がいると、全員の同意は得られません。令和5年4月1日施行の改正民法で、裁判所を使う制度が整いました。
対象は「所在等不明共有者」です。登記簿のほか、住民票などの調査を尽くしても、氏名や所在が分からない人を指します。
制度は主に次の3つです。いずれも、申立ては不動産の所在地の地方裁判所に行います。
持分譲渡の裁判では、不明な共有者以外の全員が、同じ相手に持分全部を譲ることが条件です。一部の方が応じないと、使えません。
持分の取得や譲渡では、裁判所が定める金額の供託が必要です。不明な共有者は、後から時価相当額を請求できます。
異議を届け出る期間などの公告は、3か月以上とされています。申立手数料や官報公告の予納金などの費用もかかります。
相続で共有になった持分は、相続開始から10年を過ぎないと、この取得・譲渡の制度を使えません。
賛否を明らかにしない共有者がいる場合は、催告後に裁判所の決定を得て、管理事項を決められます。ただし、変更や持分を失う行為には使えません。
手続は複雑です。弁護士や司法書士にご相談ください。
- 変更・管理の裁判:不明な共有者以外の同意などで、変更を加えられます(民法251条2項、252条2項1号)。
- 持分取得の裁判:他の共有者が、不明な共有者の持分を取得できます(民法262条の2)。
- 持分譲渡の権限付与の裁判:不明な共有者の持分を含め、全体を第三者へ譲れます(民法262条の3)。
話がまとまらないときの選択肢
共有者は、いつでも共有物の分割を請求できます。ただし、5年を超えない範囲で、分割しない契約を結ぶことはできます(民法256条)。
話し合いが調わないとき、または話し合えないときは、裁判所に分割を請求できます(民法258条1項)。
裁判所は、次の方法で分割を命じることができます。
現物分割も賠償分割もできない場合は、競売が命じられます。分割で価格が著しく下がるおそれがある場合も同様です。
共有物の分け方によっては、税金の上で交換として扱われることがあります。国税庁の質疑応答事例で、その例が案内されています。
どの方法が合うかは、事情によって変わります。弁護士へご相談ください。
- 現物分割:土地などを物理的に分ける方法です。
- 賠償分割:一人が取得し、他の共有者へ金銭を支払う方法です。
- 競売分割:競売で売り、代金を分ける方法です。
相続で共有になった場合
相続人が複数いると、相続財産は相続人の共有になります(民法898条1項)。
この状態を解く方法が、遺産分割です。相続人は、協議でいつでも分割できます(民法907条1項)。
協議がまとまらないときは、家庭裁判所の遺産分割調停や審判を利用できます。
相続登記は、法律上の義務です。不動産を相続で取得したと知った日から、3年以内が期限です。
正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料になる可能性があります。遺産分割が成立したときも、成立から3年以内に登記が必要です。
早期の遺産分割が難しい場合は、法務局で相続人申告登記をして、義務を果たす方法があります。
令和6年4月1日より前に取得を知った場合は、令和9年3月31日までが期限と案内されています。詳しくは法務省の案内をご確認ください。
売却代金の分け方と税金の基本
全体を売った代金は、持分の割合に応じて受け取るのが基本です。持分と違う分け方にする場合は、事前に税理士や税務署へご確認ください。
売って利益が出ると、譲渡所得として所得税と住民税がかかります。譲渡価額から、取得費と譲渡費用を引いて計算します。
共有の場合、譲渡所得は各共有者の持分に応じて計算します。申告も、共有者が一人ずつ行います。
マイホームを売る場合は、最高3,000万円の特別控除があります。共有者ごとに判定し、全員で3,000万円ではありません。
控除には要件があり、確定申告が必要です。相続した不動産には、別の特例もあります。
期限や要件が細かいため、売る前に税理士へご相談ください。
- 所有期間が5年を超える場合(売った年の1月1日時点):所得税15%、住民税5%です。復興特別所得税も加わります。
- 所有期間が5年以下の場合:所得税30%、住民税9%です。復興特別所得税も加わります。
- 取得費が分からないとき:売却額の5%を取得費にできる場合があります。
- 相続財産の取得費加算:相続税の一部を取得費に加えられます。相続開始の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの売却などが要件です。
- 被相続人の居住用財産(空き家)の特例:昭和56年5月31日以前の建築などの要件があります。令和9年12月31日までの売却が対象で、相続人が3人以上なら控除は2,000万円までです。
まず何から始めるか
共有名義の売却は、順番を決めて進めると整理しやすくなります。
当社では、売却の相談、無料査定、仲介と買取のご提案を行います。相談は無料で、秘密は守ります。
無理な営業はしません。法律や税の判断が必要な点は、弁護士・司法書士・税理士をご案内します。
- 法務局の登記事項証明書で、共有者と登記の状況を確認します。
- 共有者全員に連絡し、売る・持ち続ける・買い取る、の希望を聞きます。
- 相続が関わる場合は、相続人と相続登記の状況を確認します。
- 連絡が取れない人がいる場合は、住民票などで調べ、専門家へ相談します。
- 売却を考える場合は、査定を取り、仲介と買取を比べます。
- 税金は、売却前に税理士へ確認します。
よくある質問
Q共有者の一人が反対すると、売れませんか?+
A共有物全体の売却は、共有者全員の同意が必要と解されています。反対が続く場合は、共有物の分割を話し合う方法があります。話がまとまらなければ、裁判所に分割を請求できます。自分の持分だけを売る方法もあります。弁護士へご相談ください。
Q連絡が取れない共有者がいます。どうすればよいですか?+
A令和5年4月1日施行の民法で、新しい制度が設けられました。裁判所の決定を得て、不明な共有者の持分を取得できます。必要な調査を尽くしても所在が分からないことが前提です。申立先は、不動産の所在地の地方裁判所です。弁護士や司法書士へご相談ください。
Q売却代金は、どう分ければよいですか?+
A全体を売った代金は、持分の割合に応じて受け取るのが基本です。税金も、持分に応じて共有者ごとに計算します。持分と違う分け方にする場合は、事前に税理士や税務署へご確認ください。
Q相続した共有の実家を登記しないと、どうなりますか?+
A相続登記は義務です。相続で取得したと知った日から3年以内に行います。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料になる可能性があります。遺産分割が難しい場合は、相続人申告登記という方法もあります。
Q共有のマイホームを売ると、3,000万円控除は全員で3,000万円ですか?+
Aいいえ。国税庁の案内では、共有者ごとに特例の適用を判定します。特別控除額は、共有者全員で3,000万円ではありません。確定申告も、共有者が一人ずつ行います。要件の確認は、税理士か税務署でお願いします。
この記事の出典
- 法務省 民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について
- 法務省 法制審議会 民法・不動産登記法部会資料3 共有制度の見直し(1)
- e-Gov法令検索 民法(明治29年法律第89号)
- 東京地方裁判所 所在等不明共有者持分取得申立てについて
- 東京地方裁判所 所在等不明共有者持分譲渡の権限付与の申立てについて
- 東京地方裁判所 所在等不明共有者がいる場合の共有物管理・変更の申立てについて
- 裁判所 遺産分割調停
- 法務省 相続登記の申請義務化に関するQ&A
- 国税庁 No.3308 共有のマイホームを売ったとき
- 国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例
- 国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
- 国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
- 国税庁 質疑応答事例 共有物の分割
このページは一般的な情報です。個別のご事情は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にもご確認ください。
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